オタマジャクシ登場

 先日、そのへんを散歩していると、大学構内の人工池におたまじゃくしが現れていることに気づいた。最初はなにか黒っぽい海藻のような物体が漂っているなぁと思ったが、それは何十匹もいるおたまじゃくしの群れだった。ほとんどが、縁の日陰になる場所にかくれていて、ときどき藻のような植物を食べているような仕草を見せていた。

 とりあえず観察してみようと思ったが、おたまじゃくしについてはカエルに成長するということくらいしか知らないし、とりあえずその動きに注目してみることにした。

 おたまじゃくしは、丸っぽい頭部とひょろ長い尾部でできているようで、その尻尾をリズミカルに揺らして移動していた。結構ヌルヌルすばやく動く。日向にいる個体も何匹かいたが、それは一時的で、日陰の方に移動するような傾向があるような気がした。

 とりあえず、家に帰ってからネットでおたまじゃくしについてざっと調べてみた。Whikipedhia では次のような説明があった。

オタマジャクシ(おたまじゃくしとも記す。英: tadpole)は、カエルの幼生の総称。胴体は球形に近く、四肢はなく、尾が発達し、鰓(えら)呼吸をする。水田や池など身近な淡水域で見られ、古くから親しまれている。

 その中でも、

その名称は、調理器具の玉杓子に似ている事から付けられた。カエル類の一般的な幼生は、親との外見の相違が大きく、また魚類にも見えない独特の形である。正確には、肺魚(魚類)や山椒魚(両生類)とその特徴が類似しているところもあり、魚類から両生類への進化の過程を垣間見ることができる。

というのは面白いと思った。

 人間の手の水かきも進化のなごりとも言われるし、生き物の発生から出生までの過程になんとなく興味が湧いてきた。

「人生にゆとりを生み出す知の整理術」pha

 この本は、元「日本一のニート」のphaさんの、勉強法やインプット・アウトプット、モチベーションの保ち方など、知識をうまく扱うためのテクニックや思想をまとめた本である。phaさんをググってみると、ゆるく色々な活動を行っていて、田舎に本屋を作ったり面白いことをしているようだ。

 

 この本で一貫していることは、新しいことを学ぶこと、勉強することに対するハードルを低くするということだ。そのためにいくつかの実用的テクニックだけではなく、独特の考え方についても重点が置かれていた。自分は勉強すること、新しい知識を身につけることに対していくらか身構えてしまうから、その肩の力を抜くような考え方が心地よく感じて、読んだその日から実践しやすそうだなと感じた。

 

 この本では「はじめに」で、全体を貫く「習慣の力でやる」「ゲーム感覚でやる」「楽しいことだけやる」という3つの軸について書いてある。これらはまさに考えること、学ぶことに対する心理的障壁を下げる考え方だ。一番印象に残ったところは、みんながやっているから勉強するのではなく、自分が本当に楽しいと思って本当に知りたいと思うことを勉強しよう、というところだ。どうも自分は勉強というものをシリアスに捉えすぎているように感じるので、肝に銘じておきたい。

 

 それに続いて、序章では基本となる4つの知の整理術メソッド、1章にインプットの技術、2章にアウトプットの技術、3章にモチベーションとスケジュールのテクニックとなっている。

 

 序章の4つの知の整理術メソッドでは、内容を記憶に留めるという点ではデジタルよりアナログのほうが有効であるという話があった。この本では全体を通して、アナログの有用性や使い分けについて論じられていて、それが単なる感情論ではなく、認知科学の研究やHUNTER✕HUNTERの例を通して語られていて面白かった。

 

 それともう一つ印象に残ったのが「メタ情報」の重要性である。「言語の意味の周辺の情報をたくさん知っていないと、その言葉を自由に使いこなすことはできない」という話にはなるほど!と思った。自分はもともと、情報はできるだけシンプルな方がいいと思っていたが、そうでもないかなと思うようになった。

 

 あとは、インプットの章のボーとすることの効用や、アウトプット章の重いアウトプットと軽いアウトプットの話が気になった。自分が日頃から感じていたことを上手く言葉にされていて、そういうところに親近感を感じ、読みやすかった。全体的に、phaさんは肩の力を抜いて勉強を楽しんでいるんだろうな、という感じがしてそういうスタイルも真似したいと思った。